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52歳で平均年齢32歳の会社にUXデザイナーとして転職した話

皆さん、はじめまして、株式会社groovesに2022年1月にUXデザイナー&リサーチャーとしてジョインした濱谷曉太(はまやきょうた)と申します。
タイトルにあるように、私は本日(2022年6月8日)52歳を迎えました。IT業界でキャリアが長い私が、どうやって若いベンチャー企業と出会い、転職するに至ったのか。転職エントリーをまとめたいと思います。

私が所属する、グルーヴスは、人材紹介会社のネットワーク化と求人のデータベース化を提供している「Crowd Agent(クラウドエージェント)」と、ITエンジニアに特化した、スキルアップ・キャリアアップを支援する転職支援サービスの「Forkwell(フォークウェル)」の2枚看板で事業を行っています。私の現在の担当領域は「フォークウェル」の体験設計を行うデザイナー(いわゆるUXデザイナー)となっています。

私のバックグラウンド

人生は早いもんで、もう50歳を超えました。半世紀ですよ半世紀!自分が一番信じられません。私が20代でお世話になった会社にいた50代のおっちゃん(失礼)たちは、管理職でもバリバリ働くか、窓際で資料整理とかしている方の二極化でしたが、今や50代でも戦力にならなければ、すぐ戦力外宣告されるのがIT業界であります。
まずは、以下の私のささやかな年表をご覧ください。

バックグラウンド(年表)
図1.Background(年表)

20代のテレビ・ラジオ局でのアシスタント・ディレクター時代、音楽に熱中していた時代については、また別の機会に書くとして、1998年、黎明期のインターネットとともに仕事もプライベートもありました。
1995年にインターネットに初めて触れ、これは革命だ!と考え、98年にインターネットでCDを購入するECサイトを立ち上げたり(いくらなんでも早すぎた)、B2B向けコンテンツ制作会社に10年以上、C向けサービスに5年程度在籍してきました。

数年起きにやってくる人生の転機

神様のいたずらか、私のわがままか、どうも5〜6年おきに私の人生ではビッグウェイブがやってきます。ユーザーエクスペリエンスを極めたい!それしかない!!と私のゴーストがさ囁いたのでしたのは、2005年ごろ。それに導かれ、UXのエキスパートになる!と決め、2006年に社会人大学生として、小樽商科大学の夜間主コースへ進学(同じ年に娘が誕生)。日本のUXの研究の第一人者である平沢尚毅先生へ師事。2011年学士卒業となります。
しかし、北海道ではUXデザインの仕事は(当然)なく、2012年、40代にして初の単身赴任・上京し、IT技術者派遣会社やWeb制作会社でWebディレクションの片手間でUXデザインもやります!という形で請け負ってきました。2015年ご縁があって札幌へUターン、2021年まで2社でPM兼任でUXデザインをやらせて頂きました。
ここ5年はC向けサービスが中心で体験設計を行ってきましたが、そろそろ別の挑戦がしたいなとウズウズしていたところ、このコロナ禍で世の中の働き方が変化している胎動を感じ、リモートワークでUX関連の業務につけるのでは?!と考え21年春にフリーランスで独立した流れです。

スーパーのリンゴの話

とは言え、顧客リストがあっての独立ではなかったので(無謀)、まずは営業活動。転職活動と見せつつ、業務委託もできまっせ!と言ったものの、最初の2ヶ月は箸にも棒にも掛からずでした。Twitter経由で仕事を数本ゲットして自信はついたものの、忙しい時に営業活動を並行していくことに課題を感じてました。
MYCOPINGのとくさん(@nori76)がnoteの連載をされて、有料会員読者向けにSlackでサロンをやっていました。その時に「なんでも相談会」が開催されていて、30分ほどメンターとして意見を頂きたいと思い、お話しさせて頂きました。

スーパーに並んでいるリンゴや果実の図

「転職活動やフリーランスは、スーパーに並んでいるリンゴなんです。」「ピチピチの瑞々しいリンゴもあれば、酸っぱいけどパイに向いているリンゴ、真っ赤な美味しそうなリンゴ、そういう中にあなたはいるんです。」「いくらUXデザイナーが売り手市場だとしても、ライバルはたくさんいて、且つみんな若いんです。その中で濱谷さんが彼らより秀でているものはなんですか?」と問われました。私は「経験値です」と言いました。今はこれしかないです。
「そうであるならば、その経験値を可視化し、もっとわかりやすく提示できれば、若手にできないやり方で差が生まれますよね」「来週からPJに入って欲しい」「インタビュー分析やったことないんだがどこから始めればいい?」など多彩なニーズに沿ってノウハウを提供していけば、どんどん経験値がさらに上がり、市場価値が高まるのではないか、とくさんはそんなことを示してくれました。

グルーヴス との出会い

21年秋に某フリーランス紹介会社へ登録して数日後、担当者から株式会社グルーヴスという会社があるんですが、お会いしませんか?とのオファーを頂きました。
私は、「UIデザインやグラフィックデザインは出来ないですよ。上流の方のお話であれば伺いますよ」と担当者にお伝えしたところ、まさにそういう会社なんです!!ということで、話はトントン拍子に進みました。2回面談を行い、10月から業務委託でお願いしまーす!と週5フルコミットの案件がサクサク決まりました。正直週5フルコミットってハードル高いなぁと思いましたが、他案件取らなくてもしばらくはこれ1本で十分でしょうという腹もありました。

驚きの連続!フルリモート

グルーヴスと一緒にプロジェクトを始めるにあたって、何が一番驚いたかと言えば、ほぼ会社のメンバー全員がリモートワーク!!進捗ミーティング、アイデア出し、1on1、ほぼすべての業務がリモートワークを元に設計しています。すごい、すごすぎる!!と感じました。
グルーヴスでは、コロナ以前からリモートの働き方を推奨しており、個人のパフォーマンスが最大化できるならば、どこで仕事しても基本OKです。ワーケーションしながら業務をしているPMも在籍しています。

フルリモートの課題は、コミュニケーションの抽象度をどこまで具体度を上げられるかにあると思います。出勤していれば、「あの件どうでしたっけ?」と抽象的な言い方でも通じますが、フルリモートでは、主語・述語は明確に伝えないと伝わりません。
ミーティングには、議事録の型が決まっており、また議事録を取っているところを画面共有するのがミソです。議論もササッと記録しておきます。何を話し合ったか、どういう意見が出たか、参加出来なかったメンバーにも共有しやすい型が決まっていることに驚きました。
その一方で、ドキュメントがどうしても多くなる傾向があります。ここは止む得ないですが、人間はつい忘れてしまう動物なので、記憶より記録を重視しています。1on1では情報は秘匿された上で、記録していきます。ここでもメンターや上司が進んで記録を取ります。抽象的な話をしても、なぜそう思うのか、どこが不安なのか、言語化することで心理的安全性を確保しているのです。

心理的安全性という言葉も以前より浸透してきたと思いますが、私は「役職、年齢、立場に関わらずチームにとって良くなる議論であればどんな小さな事でも話し合える環境がある」と理解しています。グルーヴスでは、新卒、中途、部署が違ってもプロジェクトにとって良いと思う行動や発言を推奨しています。
ただし、過去へのリスペクトや、話し合う姿勢は必要だと思っています。どんなことでもそれなりに議論があっての積み重ねでありますので、なんでもちゃぶ台をひっくり返して良いわけではないのです。

業務委託から、よりコミットするために正社員へ

契約更新の打ち合わせを行った時、担当の増渕さんから、「濱谷さん、グルーヴスに来ませんか?」とオファーを頂きました。いやいや、平均年齢32歳の会社に50オーバーのおっさんが転職するのはちょっと難しいのでは?と答えました。「この2か月のパフォーマンスを見て、社内で活躍して頂きたいと思ったんです」この言葉を言われた時は、素直に嬉しかったです。グルーヴスの性別・年齢・キャリア・働き方など多様性のあるメンバーの一員になり、体験設計にコミットするために正社員のオファーを受けることにしました。

より良い体験設計のためにやったこと

フォークウェルは、カスタマー向けであるエンジニアと、ビジネス向けである、採用企業の2つの顧客がいます。この関係がお互いにWin-Winであることが一番重要です。
フォークウェルは、エンジニアのスキルアップ・キャリアアップを支援に注力し、今やconnpassのコミュニティでは、日本一の会員を誇ります。その一方で転職支援の方では、まだまだ他社と比べ、頭一つ抜け出せておりません。ここに、現在の事業としての課題があります。

UXデザイナーとしては、当然まずは現状調査のために、社内に現在あると思われる情報をかたっぱしから集めました。次に顧客企業へのインタビューを行うのが教科書的ですが、まずは社内の協力関係を得た方が早道と考え、セールスやカスタマーサクセスの皆さんと今までプロダクトにどんな要望や不満があったのか、聞き取りを行いました。

CSとのAs-Is確認ワークスショップ
図2.カスタマーサクセスとデザイン戦略室のAs-Is確認ワークスショップ(ぼかしが多くてごめんなさい)

関係者の皆さんに、要望や背景を伺うことで、顧客インタビューの前に出来ることがないか、オンラインホワイトボードツールを利用して、可視化しました。その中でユーザビリティの改善ポイントが見えてきたので、まずはそちらにフォーカスし、プロジェクトを部署横断で行い、UIの改善活動を行いました。

アウトプットのデリバリー

このように、業務委託からスタートしたプロジェクトを継続しつつ、どのように社内にアウトプットしたものを共有し浸透していくか(デリバリーするとよく言います)が、私のミッションです。
社内の情報共有には、いくつかルートがあって、すぐ伝えたいこと、確認などのフロー情報のコミュニケーションは、Slackを利用しています。社内社外ミーティングは、Google Meetを利用していますが、ちょっとした5〜10分程度であれば、Slackのハドルもよく利用しています。ハドルの良い点は、カレンダーの予定を入れなくてもすぐミーティングが開催できる点です。
また、ストック情報は、DocBaseを利用しています。共有の方法に少しクセはありますが、社内の情報の入り口は、すべてDocBaseを窓口にしています。
入社早々に実施した、Fw顧客企業の仮説ペルソナについては、動画で全社員向けに公開してます。

Fw顧客の仮説ペルソナ
図3.Fw顧客の仮説ペルソナ(ぼかしが多くてごめんなさい)

現在進行しているプロジェクトのアウトプットは、部署間にまたがる話なので、ワークショップを開催しながら顧客企業の理解の共通化、一般化し推進しています。

最後に

私が所属する「デザイン戦略室」は、デザイナーが10名(2022年6月現在)在籍しています。全社員の割合からみると約10%と、この規模のベンチャーにしては多めです。じゃあデザイナーは足りているか?といえば全然足りてません。猫の手も借りたいぐらいです。
もし、このエントリーを読んで、興味を持った方がいらっしゃいましたら、多様性のある会社なので、年齢に関わらず、ぜひお声がけ頂ければと思います。お待ちしてます!!

Forkwellプロダクトチームメンバー


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