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ここがGrooves(グルーヴス)の転換期。プロダクトがより事業に貢献できる体制を目指して行った組織再編に込めた想い。

こんにちは! グルーヴス エンジニアの福井です。

私は2017年にフルリモート社員第一号のエンジニアとして入社し、その後データ分析チームの立ち上げや開発チームリーダーを経て、現在はマネージャーをしています。

この記事ではグルーヴス、特にエンジニアとして働く私達にとって大きなインパクトがあった組織再編についてお話します。

私がグルーヴスに入社して以来、本当に様々な変化がありました。
元々、人材紹介会社だったグルーヴスは2009年に「人財紹介net」というプロダクトをリリースして以降、「プロダクトを持った人材紹介会社」という少し特殊な企業になりました。

これは私が2017年に入社して、初めてオフィスに出社した時に感じた印象と同じでした。
フォーマルな服装の人が電話する声で溢れかえるオフィス。そこから少し離れた静かな小部屋で黙々とコードを書いているエンジニア。「ビジネスをする彼ら」と「コードを書く私達」、そこは私が思い描く「プロダクトで事業を推進する」企業とは全く異なる雰囲気でした。

プロダクト開発でも多くの失敗を経験しました。
理想を追い求めるがゆえに市場環境やユーザーの声を軽視する、ユーザー課題の解決ではなく言われたものをそのまま作ることが目的となった開発を行う、自チーム外とのコミュニケーションや相互理解を避けて内に閉じた活動をする。「ビジネスとプロダクトが一体となってユーザー課題の解決を行う」と口で言うのは簡単ですが、それを実践するための経験値や覚悟が圧倒的に不足していました。

転換期

2022年の今、グルーヴスは大きく変わろうとしています。
プロダクト単体だけでなく、カスタマーサクセスやコミュニティといった付加価値を合わせてもう一段進化させた「サービス」として顧客にとって無くてはならない存在になる。顧客が「これなら使わない手はない」と思って口コミで評判が広がるサービス、セールスメンバーの頼れる武器として「これなら売れないはずはない」と自信を持って紹介できるサービスを提供する。そんな姿を目指してまずはプロダクトグループから変わっていく決意を固めました。

顧客がGroovesのプロダクトを認知するところからサービス利用中
利用後までのあらゆるポイントでデザインされた体験を提供する

言わずもがな、ユーザーが接する時間が最も長いのはプロダクトであるため、プロダクトの魅力を高めることは価値提供の質・量を増やすことと直結します。これまでよりもプロダクトの強化が事業全体に与えるインパクトが大きくなります。

これをサポートするために組織再編を実施し、これまで事業部配下に位置していたエンジニア、PM、プロダクトデザインチームは事業部と同列の「プロダクトグループ」として生まれ変わりました。さらに、複数のマネージャーで構成されるCPO室を新設しました。

事業部と同列の「プロダクトグループ」して再構築。
「CPO室」はプロダクトグループ全体の意思決定機関として機能する。

これにはいくつかの狙いがあります。

まず、これまで事業(サービス)毎に分かれていたエンジニア、PM、デザインチームを一つにまとめたのはプロダクトグループ全体として実行する組織戦略や意思決定をより早く行えるようにするためです。

また、個人の希望や経営戦略に応じてサービス間でメンバーを流動的に移動させることを可能にするために、ローテーションなど施策を実施しやすくするためのものでもあります。

CPO室は行き過ぎたトップダウンによる意思決定を防ぐことを主な目的として存在しています。

さらに、プロダクトグループでは全体の統括やグループレベルで事業部とのつなぎ込みを行う役割としてグループマネージャーのポジションを新設し、外資系の有名企業で実績のある原田 豪氏を招聘しました。

しかし、ゼネラルマネージャーによるトップダウンのアプローチが先行すると実際の現場の状態と乖離した課題認識によって効果的でない施策が実施されてしまったり、メンバーの納得を得られないまま意思決定が行われ、組織全体のモチベーションが低下してしまう可能性があります。

これを防ぐための意思決定機関としてCPO室を置き、現場マネージャーの意見が反映されやすいような組織づくりを行いました。

開発に集中できる環境づくり

プロダクト開発を強化するための取り組みはそれだけではありません。

開発(Dev)チームがよりユーザー価値に直結する開発活動に専念できるよう、インフラおよびサービス運用に責任を持つ運用(Ops)チームを新設しました。

これまでグルーヴスでは似たような役割を持つ組織としてクラウド推進室がありましたが、そのミッションはあくまでも「開発チームが自立して適切なインフラ運用ができる土台の整備」でありました。

この責任分割範囲を改めて見直し、クラウド推進室はインフラレイヤーおよびサービス運用を行うOpsチームとして生まれ変わったことも今回の組織再編における施策の一つです。

これまで開発チームがサービス運用の責務を担っていたため、カスタマーサポートからの問い合わせ対応やサービスに付属したBIツールの運用など、プロダクト開発のスピードやリズムを阻害する割り込みが日常的に発生していました。

また、今後グルーヴスのサービスが大きく成長してユーザーの業務遂行に無くてはならない存在となった時、運用は開発と同じくらい重要で価値のあり、高い専門性を必要とする業務として取り扱う必要があり、開発活動の片手間で行えるような業務ではないと判断しました。

Opsチームはカスタマーサポートと緊密に連携し、ユーザーからの問い合わせを集約、分類し、プロダクト開発にフィードバックすることでユーザーの声が直接開発に反映される体制を目指します。

ユーザーに素早く、頻繁かつ安定的に価値を提供することが求められる近年のソフトウェア開発においては、一見するとこれは時代に逆行する組織戦略として捉えられてしまうかもしれません。「作った人が面倒を見るのが一番効率が良いだろう」と。

しかし、開発から運用までを1つのチームが一貫して担当するためには、ソフトウェアを小さな単位に分割することをセットで行わなければ破綻してしまいます。グルーヴスのサービスはまだまだユーザー価値に直結する機能を提供することが求められるフェーズであり、サービス分割のために膨大な工数を割くことはできません。

サービスの成長とともに一緒に働くメンバーが増えたあかつきにはおそらく前述した王道の組織戦略を取ることになると思います。しかし、それまでの間はいわゆるモノリスアプリケーションを前提として素早く、頻発かつ安定的に価値を提供する組織設計を行わなければならず、DevとOpsチームがソフトウェア開発一連のライフサイクルにおいてコラボレーションすることがその最適解であると判断しました。

伝統的な運用チームとは異なり、Groovesの運用チームは早期の設計段階から参加します。
これはできるだけ早い段階で運用上の懸念を解決したり、
クラウドサービスの活用を提案することで
運用上の優秀性を達成に寄与する非機能要件を満たすためです。

Opsチームの役割の詳細は下記の求人にも記載しています。このポジションにご興味を持ってくれた方はお気軽に「話を聞きたい」してくださいね!

評価制度の刷新

最後に、プロダクト開発に関わるエンジニア、PM、デザイナー向けの評価制度の刷新についてご紹介します。

これまでのグルーヴスの評価制度上、プロダクト開発に関わるメンバーの評価は「6ヶ月単位で設定される事業(ビジネス)目標の達成にプロダクトがどの程度寄与したか」という観点を持って行われていました。

しかし、プロダクトでの施策はその特性上、効果が数字として出るまでに数ヶ月の期間を要したり、特定のビジネス指標(例えば、求人への応募率など)単独で効果がでるものではなく、ユーザー体験全体を通じた一連の指標の底上げを行うものが多いです。また、特定の指標向上のためにプロダクトに注力し過ぎると、ユーザーが求めるものとプロダクトが提供するものの乖離が発生しやすくなったり、プロダクト全体のボトルネック解消に工数を割きづらいという問題があります。

そこで、「プロダクトはプロダクトの得意な領域、ビジネスはビジネスの得意な領域にフォーカスした価値提供を行う」という発想の元、それぞれが担当するユーザー課題解決領域を明確に区別することにしました。

選択と集中。
プロダクトではより多くのユーザーかつ長期に渡って必要とされる課題解決ニーズを満たす。

プロダクトは顧客全体、かつ長期的にその解決ニーズがある領域に責任を持って課題解決を行います。

一方、事業部は個別の顧客、かつ短期的なトレンドやニーズに沿った顧客課題解決に責任を持つ組織として住み分けを図ります。

この責任分割をサポートするため、プロダクトに関わるメンバーの評価制度もそれに沿ったものに変更します。

具体的には、プロダクト開発に関わるチームが追いかけるのは長期目標である「顧客満足度」と「解約率」と定義づけ、その達成に向けた目標設計、評価制度へと刷新します。これにより、プロダクトグループのメンバーはより本質的にユーザー課題に向き合いやすくなるはずです。

この記事を書いている2022年5月の段階ではまだ新しいものに変更途中ですが、9月からは新しい目標・評価制度にてスタートすることを目指しています。

プロダクトグループのこれから

プロダクトグループはプロダクトとそれを使ったユーザーの成功体験創出に責任を持つカスタマーサクセス、またグルーヴスとユーザー、ユーザー同士で組織されるコミュニティなどの要素を組み合わせた「サービス」として価値提供を行うサービス主導型組織を目指して新たな方向へと舵を切りました。

この組織ではプロダクトが担う役割や果たすべき責任の達成がこれまで以上に重要になることは先に述べたとおりであり、それをサポートするための組織再編を推し進めてきました。

私自身、これまでプロダクトがグルーヴスの事業に貢献できる範囲が限定的であったこと、プロダクトが求心力を持って事業を推進できていなかったことに反省をしつつも、これからビジネスとプロダクトが適切な役割分担のもとに、本当の意味で「一体となって」ユーザーにとって魅力あるサービスを創り上げていくことを想像してワクワクしています。

この組織変更が発表されて数日後、普段リモートで働くメンバーも集まって「新生プロダクトグループ キックオフミーティング」が行われました。ぜひこちらの模様も合わせてご覧ください。

ここまで読んで頂いて本当にありがとうございました!
グルーヴスでは新しい組織体制のもと、共にプロダクト開発を加速させ魅力あるサービスを創り上げるメンバーを大募集中です。

これまでのご経験やこれから歩みたいキャリアに応じて柔軟にポジションをご提案させていただきます。
少しでも興味を持ってくださった方、ぜひお話させてください!

下記のページからお申し込みいただけると弊社マネージャーとのカジュアル面談を設定させていただきます。プロダクトグループ一同、あなたにお会いできるのを楽しみにしています!