コーポレートカラー変更の背景と、緋色(ひいろ)に込めた想い
こんにちは!株式会社grooves(グルーヴス)デザイン戦略室の増渕です。
今回、私たちがコーポレートカラーを3色から1色に変更した背景と、新カラーに込めた想いについてご紹介します。
コーポレートカラーとは
コーポレートカラーとは、特定の色や配色だけでその企業を思い浮かべさせ、企業の世界観を感じさせることができるイメージカラーを指します。この重要な変更に至った理由を、深く掘り下げてみたいと思います。
コーポレートカラー3つのポイント
私たちを象徴する色
ステークホルダーに持ってもらいたいイメージ
競合他社との差別化
変更の理由
変更の背景には、事業成長を見据えシンプルさが必要という課題がありました。
事業が成長するにつれて、私たちと関わる人々や企業が年々増えています。お客様、ユーザー、株主、取引先、新規入社者など、あらゆるステークホルダーに対して、この情報過多の時代にわたしたちのメッセージを明確に伝えるためには、よりシンプルなコミュニケーションが必要と考えました。
例えば、通勤で家を出てから会社に到着するまでに出会ったブランド数を数えてみたところ、約40分間で67ブランドに出会いました。そのうち、初見のブランドで明確に色やロゴの形を覚えられたのは1、2個程度でした。そして一週間も経つと忘れてしまっていました。スマートフォンやテレビなどの情報も加えると朝の時間帯で100以上ブランドと出会っているかもしれません。
これほど情報に溢れた社会のなかで、認知してもらうことがそもそも難しいという前提で考えなければ、今後のブランディングは成り立たないと痛感しました。
上記を踏まえ、これまで運用していた3つのカラーは、改良の余地があると考えました。
ステークホルダーに対して、シンプルで伝わるコミュニケーションが取れているか?
すべての従業員がカラーバランスや強調したい部分を考慮した運用になっているか?
社内調査を実施した結果、ステークホルダーに対する一貫性のあるコミュニケーションを3つの色を用いて行うことが、従業員にとって取り組みづらいことが分かりました。具体的には、人によって色の使い方に差がある状態でした。
しかし、これはチャンスでもあると考えました。
私たちがブランドガイドラインや見本資料のみに頼るのではなく、もっと直感的で誰もが扱いやすいアプローチへと移行できれば、レクチャーやフォーマットの整備に投資するよりも価値があると考えました。
結論、事業成長を見据えシンプルであること、もっと直感的で誰もが扱いやすいアプローチへと移行するために、コーポレートカラーを3色から1色へ絞ることにしました。
変更のプロセス
変更への道のりは、以下のようなステップで進めていきました。また、この作業は、代表取締役の池見と2ヶ月ほどかけて検討していきました。
① 企業の価値観と理念からの出発
まず、企業のミッション、ビジョン、バリューや創業理念などを基に、企業の「人格」を定義しました。そして、この人格に合う色相を選ぶために、言語イメージスケールを用いて慎重に選定しました。これは以前のリブランディングの際にも用いた手法であり、再現性があったため容易に進めることができました。
② 方向性として「オレンジ色」の選択
プロセスを進めるうちに、オレンジ系の色が最も適していることが明らかになりました。
さらに、創業時の名刺にもオレンジ色が使用されていたことから、この色が長い間、私たちのアイデンティティの一部であったことが再確認され、意思決定の後押しになりました。
③ 綿密な検討
次に、競合他社の調査も行い他社との差別化についても検討しました。当社の象徴するキーワードや与えたいイメージといったりきたりしながら、数あるオレンジのなかから1色を選んでいきます。
日本の伝統色、緋色(ひいろ)に決定
オレンジ色には多様なバリエーションがありますが、私たちは創業の理念「日本の経済を元気にする」という強い意志を、日本の伝統色である「緋色」(ひいろ)に託し、最終的な選択としました。この色は、日本古来から生命力や活力の象徴として活用されてきた色であり、私たちの強い意志を表現しています。
まとめ
情報過多社会のなかで、事業成長を見据えシンプルである必要性
もっと直感的で誰もが扱いやすいアプローチへの移行
3色から1色へ変更
この新しい色は、「日本経済の活性化」という私たちの使命を鮮やかに象徴しています。この変更により、ブランドの親しみやすさが増し、ステークホルダーとのコミュニケーションが強化されると共に、社内外でのブランド認知度の向上に繋がる新たなスタートラインに立ったと感じています。
さらに、今回の変更は全社の21期上期キックオフミーティングで発表されたことで、社員ひとりひとりが企業の理念と価値観を深く理解し、団結力を高めることができたと感じています。
これからは、社内外のあらゆるタッチポイントでブランドカラーを活用し、視覚的一貫性を保ちながら、ステークホルダーに対して適したコミュニケーションを行っていきます。
次回、機会があればこのブランドカラー変更後の変化についてもGrooves+でお知らせできたらと考えています。
それではまた!